太陽光発電のFIT制度の出力制御と代理出力制御とは

query_builder 2026/05/07
太陽光発電のFIT制度の出力制御と代理出力制御とは

お客様から発電量が少ないとの電話が会社にありました。実際に現場で見てみると発電状況は問題ない。結果は出力制御でした。

お客様は聞いていないの一点張りでしたが、発電はFIT法が始まって3年以内のお客様で出力制御対象外の時期に設置されたお客様でした。その時期には出力制御が低圧に影響している時期ではありませんでした。

では制度が開始された時期など詳しく説明していきたいと思います。

出力制御が始まった時期


低圧(10kW以上50kW未満)の太陽光発電設備において、出力制御のルールが適用・開始された時期は、電力会社(エリア)によって異なります。

  • 制度上の区分: 2015年(平成27年)の固定価格買取制度(FIT)改正により、指定電気事業者制度(無制限・無補償の出力制御)が導入されました。

  • 実際の制御開始(九州エリアなど): 最も早く出力制御が頻発し始めたのは九州電力エリアで、2018年10月から本格的な実施が始まりました。

  • 低圧への拡大: 当初は大規模なメガソーラーが中心でしたが2022年度以降、東北、中国、四国、北海道などの各エリアでも順次、低圧発電所を含めた出力制御がオンライン・オフライン問わず実施されるようになっています


※出力制御対象機器は2014年頃に発売され、九州電力の申請では、2014年の途中から出力制御対象機器での設備でなければ運転開始ができなくなりました。


代理出力制御とは?

「代理出力制御(オンライン代理制御)」は、2022年4月から導入された比較的新しい仕組みです。


仕組みの概要

本来、出力制御の対象となるのは「出力制御機能付パワーコンディショナ(オンライン制御対応)」を設置している発電所です。

しかし、古い設備(オフライン設備)は手動で停止させる必要があり、効率が悪く、オンライン設備側ばかりが頻繁に止められるという不公平が生じていました。

これを解消するために導入されたのが代理出力制御です。


〇 オンライン設備が「代理」で止まる: 制御が必要な際、遠隔操作ができるオンライン設備が、オフライン設備の分まで多めに発電を抑制します。

〇 精算(キャッシュバック): オンライン設備が本来止まるべき量を超えて抑制した分について、オフライン設備側が「本来なら自分が止まるはずだった分」の売電収入をオンライン設備側に金銭で支払う(精算する)仕組みです。 


メリット

  • 社会全体の再エネ棄却量を減らせる: オンラインで細かく制御する方が、手動で1日中、止めるよりも無駄な抑制が減ります。

  • 公平性の確保: オンライン化が進んでいる事業者が一方的に損をしないよう、金銭的に調整されます。


出力制御の種類と対応


出力制御には主に以下の2つのパターンがあります。


種類内容
オンライン制御通信回線を通じて、電力会社がパワコンを直接(またはスケジュールで)自動制御します。
オフライン制御遠隔制御ができないため、事業者が電力会社からの依頼に基づき、手動でスイッチを切る、またはタイマー設定を行います。


太陽光発電のルールはいつの間にというように変更をしてきています。〇日ルールのようなものも頻繁に変わることもあり、実際にどのルールに適用されているのかも、わかならくなるようなルールの変更です。


ルールの変更の流れは下記のとおりです。


1. 黎明期:30日ルール(旧ルール)

FIT制度開始当初のルールです。

  • 内容: 電力会社が発電設備を無補償で出力制御できる上限を「年間30日(または時間)」までと定めていました。

  • 背景: まだ太陽光の導入量が少なく、大幅な制御が必要になるとは想定されていなかった時期です。

  • 対象: 主に50kW以上の高圧案件が対象で、低圧の多くは対象外でした。


2. 2015年改正:指定電気事業者制度(新ルール)

太陽光の申し込みが急増し、接続拒絶が起き始めたため導入されたルールです。

  • 内容: 接続可能量を上回るエリアにおいて、「無制限・無補償」で出力制御を受け入れることを条件に接続を認める仕組みです。

  • 変化のポイント: 「30日」という上限が撤廃されました。

  • 低圧の扱い: この段階で、多くのエリアで10kW以上の低圧も出力制御の対象(当時は遠隔出力制御装置の設置義務化が進む)となりました。


3. 2022年4月:オンライン代理制御の導入

「止める側の不公平」を解消するために導入された画期的な変更です。

  • 背景: 遠隔操作ができる「オンライン設備」ばかりが頻繁に止められ、手動でしか止められない「オフライン設備」がそのまま発電を続けている不公平な状態が発生しました。

  • 内容: オンライン設備がオフライン設備の分までまとめて制御を受け持ち、後からその分の対価(売電収入相当)をオフライン設備からオンライン設備へ精算(分配)する仕組みです。

  • 結果: 経済的な公平性が保たれるとともに、オフライン設備を1日中手動で止めるよりも、オンラインで細かく制御する方が再エネの無駄(捨てられる電気)が減ることになりました。


4. 2023年以降:出力制御エリアの全国拡大

これまで出力制御とは無縁だったエリアにも波及しています。

  • 現状: 九州から始まった出力制御は、現在では東北、中国、四国、北海道、北陸など、東京・中部エリアを除くほぼ全国で実施されるようになりました

  • 最新の動き: 現在は、発電側課金(送電網の維持費負担)の導入や、出力制御を回避するための「蓄電池」の活用が、投資回収のシミュレーションにおいて必須の検討事項となっています。


最後に出力制御や代理出力制御はFIT法初期にはなかったものです。お客様より発電入金が少なくなったという電話も数年前(出力制御や代理出力制御が開始されたころ)はたくさんいただきました。

コロコロと法律や運用が変わり、2015年頃からは通信機器がほぼ必須となり、費用負担が増えたりもしてきています。

ただ勝手にすべてが行われたわけでもなく、お客様の元にこのように変更されましたという通知は届いています。

業者では全く対応ができることではありませんので、その点はご了承ください。

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ひだかや株式会社

住所:岡山県倉敷市西富井1076

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